元々、平安時代初期に中国から伝わってきた
とされ、日本で独特の進化を遂げた和綴じ。

今ではなかなか見る機会がないのではないで
しょうか?
日本人でも知らない和綴じの方法とその種類
についてご紹介します。

和綴じ本の起源は千年以上も遡り、平安時代の初めに空海が中国から学ん
だ「三十帖策子」です。
(二つ折りした本文の紙を束ねて糊付けし、最後に表紙を糊で接着したもの。)

中国では胡蝶本と呼ばれていますが、
日本では、糸でかがらないことから「粘葉装(でっちょうそう)」と呼ばれました。

これを発展させたのが大和綴じで、糊を用いず糸でかがって、表紙の二ヶ所
をひもで結ぶ形式です。

その後、中国の宋から明の時代にかけて用いられた「袋綴じ」という形式の
「明朝綴じ」が鎌倉時代に伝わりました。

そして江戸時代に入って木版印刷による出版ブームが起こると、江戸職人
の技と粋が和装本に集約され、様々な綴じ方が生み出されました。

それが代表的な四つ目綴じの他、康煕(こうき)綴じ、亀甲綴じ、麻の葉綴じなどです。

和綴じは大きく分けて四種類あります。
綴じ方と合わせてご紹介します。

シンプルで一番簡単な綴じ方。
明朝綴じとも言います。全ての綴じ方の基本になります。

「三つ目」や「五つ目」もあり、初心者にお勧めです。

高貴綴じと呼ばれる場合もあります。
四つ目綴じの触れ部分に糸を縦横に掛けた綴じ方で、背の角の部分の捲れ防止と装飾を兼ねています。

中国の康煕帝が始めたものと言われています。
どことなく高級な雰囲気を感じます。

つづく

原案&絵:山田海里(東京デザイナー学院)

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