太平洋の北西に浮かぶ島国、日本は、47の都道府県で構成されています。その地域性や魅力は多種多様です。今回はその中でも「石川県」について、紹介していきます!

 

 

石川県ってどんな場所?

石川県は日本列島の中でも、本州と呼ばれる最も大きな島の中央部分に位置します。日本海に能登半島がせり出しており、人間の手のような形にも見えますね。

 

冬は気温が低く、雪が降ることも多い地域です。また、日本で最も雷が多い地域でもあるようです! 冬の石川県では雪と雷のコラボが見れるかもしれませんね。

城下町・金沢

ここからは、石川県をより細かく見ていきます! まず初めは、石川県の県庁所在地も含まれている、金沢エリアです!

金沢は江戸時代、加賀藩のお膝元であり、城下町として栄えていました。その名残は今も残っており、日本情緒を感じることができます。一方で、現在でも石川県の中心であることから、現代的な観光地もあります。古き良きと新しきを一度に楽しめる場所ですね。

日本の原風景・能登

次は能登半島を含む、能登エリアです!

 

能登は石川県の中でも特に山海の豊かな自然が残っており、里山・里海など、自然と人間の関わりを強く感じることができます。美しい自然の景色や、豊かな海で育った魚介など、いろいろな方法で満喫できそうな場所です。

 

温泉郷・加賀

続いて、加賀エリアです!

 

加賀を語る上で外せないのが、温泉です! 加賀温泉郷は山代・山中・片山津・粟津の4湯で構成されています。それぞれの湯ならではの個性もあるので、あなたのお気に入りの湯と出会えるかもしれません!

 

霊峰・白山

最後は、白山エリアです!

 

霊峰白山は富士山・立山と並んで、日本三名山(三霊山)に数えられています。霊峰とは、信仰の対象にもなっている山のことで、世界の霊峰にはエベレストやマチュピチュなどがあります。雄大な自然からパワーがもらえそうですね。

 

エリア別!オススメ観光スポット!

 

先程紹介した通り、石川県はエリアによって特色が違います。石川県へ旅行したときに、その魅力を余すことなく楽しめるよう、各エリアの良さを満喫できるような観光スポットを紹介していきます!

 

金沢編

・金沢城

まずは元城下町として、金沢城は外せません。ヨーロッパの教会や城郭などの多くは縦の線を重視した建築をしていますが、金沢城は横の線が重視されたデザインをしています。かつては権力の象徴や戦の場として造られた金沢城ですが、江戸時代という平和な時代を迎えたことをきっかけに、見た目の美しさもより一層高まりました。

 

また、石垣の博物館と呼ばれるほど、さまざまな種類の石垣を見ることができます。ほとんど加工のない自然石を積み上げる“野面積み”や、形や大きさをそろえた割石を積み上げる“打ち込みハギ積み”、石同士の接合部に隙間がないように加工して積み上げる“切り込みハギ積み”など、作られた年代や技術の違いを目で見て感じることができます。その他、防火の願いが込められた六角形の亀甲石が組み込まれている石垣や、刻印が施された石垣など、変わったデザインを楽しむこともできます。

 

・兼六園

先程紹介した金沢城の外庭だった場所が、兼六園です。現在では回遊式の庭園として、水戸偕楽園・岡山後楽園と共に、日本三名園に数えられています。回遊式とは、土地の広さを活かして池や山、茶屋を作り、それらへ実際に立ち寄りながら楽しむことができる庭園のことです。いくつもの池とそれらを繋ぐ曲水、築かれた山々と幾種類もの樹木といったものが四季折々の姿を見せる様子は、一見の価値が大いにあります。

 

・茶屋街

金沢にはいくつかの茶屋街があります。茶屋街は芸妓さんがおもてなしをする大人の社交場のことです。日暮れの頃には太鼓や三味線の音を聞くこともできるでしょう。“一見さんお断り”のお店もありますが、一般に公開されている場所も多いので、古き良き日本を感じていただけます。ひがし茶屋街は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、昔の美しい街並みが今に残っています。木虫籠(きむすこ)と呼ばれる、細かい格子を持つ建物が特徴的です。にし茶屋街は比較的規模が小さく、ゆっくりとした観光に適しています。料亭が多いことも特徴です。

 

・金沢21世紀美術館

金沢の現代的な観光地のひとつが、この金沢21世紀美術館です。「新しい文化の創造」と「新たなまちの賑わいの創出」を目的に、2004年に造られました。実際に見て、触れて、感じる、という風に、散歩のような気軽さと身近さで現代アートの鑑賞ができます。

 

能登編

・千里浜なぎさドライブウェイ

こちらは、日本で唯一波打ち際のドライブが楽しめるスポットです。車やバイク、自転車など、お好きな乗り物で潮風を感じながら走ってみるのはいかがでしょうか。快晴の昼間、薄暗い夜明け前など、時間や天候に寄って違う表情を見せてくれることもオススメポイントです。

 

・和倉温泉

七尾湾に面した和倉温泉は1200年の歴史を誇る、日本でも有名な温泉地です。“海の温泉”ならではの豊富な塩分が特徴で、殺菌・保湿・美肌の三大効能を有しています。湯の泉質と効能の評価は非常に高く、明治13年にドイツで行われた万国鉱泉博覧会では「世界三等鉱泉」と評価されました。旅の途中で足湯へ立ち寄り、湯の効能・能登島大橋と海の絶景に癒されるも良し、格式ある老舗旅館に泊まり温泉の他、自慢の海産物が使われたお料理など、日本のおもてなしを満喫するも良しと、好みに合わせて幅広い利用ができます。

また、8月に開催される和倉温泉夏花火では、3尺玉という直径約90センチの花火が打ち上げられます。夏に訪れる際には開催日をぜひチェックしてみてくださいね。 

 

加賀編

・加賀温泉郷

山代・山中・片山津・粟津の4湯で構成された温泉エリアです。

山代温泉の歴史は昔、行基という僧が見つけたところから始まります。明治から昭和にかけて、歌人や陶芸家など多くの文化人が訪れ、歌を詠み、作陶の基礎を学んだ場でもあります。古の芸術家に想いを馳せながら、温泉でクリエイティブな思考にふけるのも良いかもしれませんね。

 

山中温泉は開湯1300年の、渓谷と清流に隣接した温泉です。かの松尾芭蕉が奥の細道という旅の途中に立ち寄って歌を詠み、有馬・草津と並ぶ「扶桑の三名湯」と高く評価したと言われています。

 

片山津温泉は霊峰白山も見える、柴山潟という湖畔の温泉街です。夏には毎夜行われる納涼花火大会、冬にはシベリアからやってきた渡り鳥というように、四季折々で変わる湖畔の風景が魅力のひとつです。1日の中でも7回色を変えるという柴山潟は、幻想的な癒しを提供してくれることでしょう。

 

粟津温泉は、石川県の所属する北陸地方で最も古い温泉です。粟津温泉の宿は全て自家掘りの源泉を持っており、宿によって微妙に変わる泉質と泉温を比べてみるという楽しみ方もあります。また、江戸時代から語り継がれている恋物語から、「恋人の聖地」としても有名です。

白山編

・霊峰白山

日本三名山の白山の自然の恵みは様々な形で受けることができます。「花の山」とも呼ばれる程に咲き誇る高山植物、山頂近くの7つの湖、見下ろす雲海、夜の山頂から見る満天の星空……挙げていくときりがない程に自然が溢れています。もちろん白山そのものの美しさを楽しむために、展望台やドライブもオススメです。

 

・白山比咩神社

全国の白山神社の総本宮で、白山信仰に触れることができるパワースポットです。「白き神々の座」と言われており、毎月1日には「おついたちまいり」の参拝者で賑わっています。ご縁をくくる神様とも言われているので、訪れた際には良縁の祈願をしてみてくださいね。

 

グルメからお土産まで! 石川県の特産品!

旅行に行ったなら欠かせないものが、土地の美味しいものと、大切な人や自分へのお土産ですよね。何を食べようか、お土産は何にしようか。そんなときに、これを選べば間違いない! という、石川県の特産を紹介します!

海の幸

海に面している石川県は、新鮮な海の幸が有名です。石川県沖の日本海は暖流と寒流がぶつかる場所であり、さまざまな魚が回遊し、餌であるプランクトンも豊富なため、脂が乗って美味しい海の幸になります。

 

・加能蟹(かのうがに)

地元ではズワイガニのオスを指します。細い脚には繊細な甘さとカニ本来の旨味が楽しめる身がたっぷり詰まっています……! 旬である寒い冬の日に食べれば、熱々プリプリの身の美味しさは格別でしょう!

 

・香箱蟹(こうばこがに)

こちらはズワイガニのメスのことです。オスとの違いは甲羅の中の内子という卵! 濃厚で甘みがたっぷりです。出汁まで美味しいので、お味噌汁やカニ鍋、〆にカニ雑炊をすれば、余すことなく食べられそうですね。香箱蟹の旬も冬ですが、漁期は加能蟹より短めですので、出会えたときはぜひ試してみてください!

・岩牡蠣

能登で取れる天然の岩牡蠣は身が大きく、磯の香りと旨みをたっぷりいただけます。焼き牡蠣、蒸し牡蠣、牡蠣フライなど調理方法はさまざまですが、1番オススメなのはやはり生牡蠣です! ぜひ旬の夏につるんとさっぱり食べてください!

※牡蠣の食べ過ぎにはご注意ください。

 

・寒ブリ、かぶらずし

冬に産卵のために南下してきたブリのことです。日本海のブリは脂が乗っており、刺身はもちろん、ぶりしゃぶやぶり大根なども絶品です。

また「かぶらずし」という、寒ブリを使った名物もあります。塩漬けしたかぶらに塩漬けした寒ブリを挟んだ伝統的な発酵食品で、漬物に近い「なれずし」の1種です。生の魚介よりは冷蔵での保存期間があるので、海の幸をお土産にしたい! という方はかぶらずしを検討してみてください!

 

・金沢カレー

スパイシーでとろみのあるカレーに、大きなとんかつと千切りキャベツがトッピングされたカレーです。食器はステンレスの皿と先の割れたスプーンというレトロな雰囲気のある金沢カレー。ぜひ見た目も楽しんでくださいね。

レトルトの金沢カレーもあるので、すぐには会えない人へのお土産にもオススメです。

 

・輪島塗り

輪島市で生産されている伝統工芸品です。何層にも塗られた下地は丈夫さを生み出し、100を越える手作業の工程の中には「沈金」や「蒔絵」などの技術が光ります。

 

毎日頑張っている自分や、大切な人への少し豪華な贈り物にピッタリです。

・金箔

金沢はなんと、金箔の生産量が日本一! 工芸品の装飾に使われる他、スイーツやコスメ、アクセサリーなど、いろいろなところに金箔があしらわれています。少し贅沢な気分になれる、金沢ならではの土産です。

 

・きんつば

「能登大納言」を使ったきんつばは小豆の粒が大きく食べごたえがありながら、控えめな甘さと柔らかな薄衣が上品なお菓子です。あんこが好きな方には、きんつばのお土産は最高のチョイスになりますね。 

 

・献上加賀棒茶

1983年に昭和天皇に献上されたお茶です。お茶の旨みのために浅く焙じています。金沢ではお茶といったら番茶(ほうじ茶)のことを指し、こうばしい香りが楽しめます。

昭和天皇が味わったお茶の味をぜひ自宅でも試してみてください。

幅広い魅力たっぷりな石川県

今回は石川県の紹介をしてきました。伝統的な建造物や現代アートの美術館、山の自然から豊かな海まで、一言では表せないほどいろいろな魅力を持っていることがわかっていただけたかと思います。ぜひ石川県へ旅行に来た際には、こちらの記事を参考にしていただいて、石川県を丸ごと“楽しんでたいま”〜!

 

※楽しんでたいま……金沢弁で「楽しんでください」の意

今回紹介した石川県の場所はコチラ!

この記事は大阪芸術大学の「教養演習」「コミックプロデュース論」を受講している学生により制作され、マンガデザイナーズラボの代表兼、同学の客員教授・吉良俊彦と講師・石井聡の監修のもと掲載しております。

 

ライター:文芸学科2年 仲上舞花さん

デザイン:デザイン学科2年 筒井麗賀さん

     デザイン学科2年 山口歌音さん

     キャラクター造形学科3年 近藤俊治さん

     アートサイエンス学科2年 大間美穂さん

     デザイン学科3年 西村拓史さん

     アートサイエンス学科3年 寺尾悠さん

     デザイン学科2年 吉川菜央さん