沖縄の美しい海や独特の自然が好きな方も多いのではないでしょうか。ここでは沖縄の海や自然について紹介します!

 

今日の舞台は「美ら海」です!

沖縄の美しい海を〈海の姿〉と〈人の姿〉から、それぞれイラストを用いて紹介していきます!

 

 

   美ら海を知ろう 〜海の姿〜

 

   美ら海って?

 

「美ら(ちゅら)」は沖縄の方言で「美しい」「綺麗」といった意味です。つまり「美ら海」は『美しい海』ということ。ここでは沖縄の美ら海を人の姿(イラスト)でご紹介します!

透き通った光が差し込むアクアマリン。ドレスの裾を彩る白波。

ドレスの中にいる生き物たちは今にも動き出しそうです!

沖縄の海を纏った美女は海の精霊に違いありません。

 

女性が表す透明度の高さこそ、沖縄の海と言えます。

 

  美しさの秘密

沖縄の海はとても透き通っています。なぜこんなに美しい海が生まれるのでしょうか?

ここでは沖縄の環境から少しずつ見ていきたいと思います。

 

①黒潮海流

沖縄には流れが速い「黒潮」と言われる海流が流れています。

黒潮には海が濁る原因の一つ、プランクトンがあまりいません。その理由はプランクトンが好む栄養素が少ないためです。

黒潮の生息しにくい環境は、沖縄の海にプランクトンが少ない理由に繋がります。

 

②大勢のお掃除係り

美ら海には大勢のお掃除係がいます。沖縄の海に行くなら必ず見ておきたいサンゴ礁と小魚たち。

彼らは海のお掃除係でもありました。

 

綺麗な色とりどりの珊瑚や小魚は海が濁ってしまう浮遊物を主食としています。(ちょこっと解説:珊瑚は植物ではなく刺胞動物です。なので食事や排出、産卵もします)

 

美ら海を知ろう 〜人の姿〜

沖縄の美ら海を今度は人の姿から見ていきましょう。

まずは観光からご紹介します!

 

美ら海水族館

美ら海水族館は沖縄の随一の観光名所として知られています。

ここではそんな美ら海水族館について紹介します!

自然豊かな沖縄の海を、そのまま展示したような水族館。

珊瑚やイソギンチャクなどの海洋動物から国内最大級のジンベイザメまで!美ら海の広大さを感じることができます。

 

美ら海水族館のテーマは「沖縄の海との出会い」。

南西諸島・黒潮の海に生きる多種多様な水圏の生き物達が一同に会す水族館はここだけです!

 

昨年度(2021年6月)まで美ら海水族館では2匹のジンベイザメが飼育されていましたが、現在は1匹のみの飼育が行われています。

 

8mを越える体長を持つジンベイザメの「ジンタ」は今も多くの来場者たちから愛されています。

美ら海と観光

   離島から見た海

青い空に色鮮やかな海。 ここは石垣島から見た美ら海です。

静かに凪いだ海は長閑な陸地と相まって私たちを癒してくれます。このイラストでは美ら海の愛を強く感じられます。

 

沖縄を訪れた方は「自分が一番好きな場所」ができるかもしれません。

自分のイチオシを探すのも沖縄での楽しみ方かもしれませんね。

 

 

   美ら海の喪失

 

沖縄の海は大変美しい。その理由をイラスト共に紹介をしてきました。

 

ですが近年、美ら海の美しさは失われつつあります。

美ら海を支えている色鮮やかな珊瑚がその数を減少させ、海の濁りは増えているからです。

 

なぜ失われつつあるのでしょうか?

その原因を紹介していこうと思います。

 
珊瑚の減少

①オニヒトデの大量発生

オニヒトデは珊瑚を主食とする海の生き物です。彼らは1匹で1年に 5~13 m²のサンゴを食べてしまいます。

そんなオニヒトデが過去に2度、沖縄で大量発生し珊瑚に深刻な食害を与えました。

 

②赤土の流出

陸から大量の土砂が海に流入して海水が濁り、サンゴに土砂がたまることを言います。土砂が溜まることでサンゴの中の褐虫藻が光合成できなくなったり、サンゴが窒息してしまうことがあります。

 

③地球温暖化

地球温暖化の影響により、海水温が上昇することが増えました。

その状態が継続すると、サンゴに共生している褐虫藻が体内からいなくなり、サンゴが白く見える白化現象が起こるとされています。

この状態が長く続くとサンゴは褐虫藻から栄養を受け取れず、やがて死んでしまいます。

 

近年、海水温の上昇により死にいたる珊瑚が増えています。

地球温暖化の影響は珊瑚、ひいては沖縄の美ら海にまで及んでいるのです。

 

サンゴが減少するとその影響はそこを住処とする小魚から、小魚を捕食しにくる魚まで、非常に広範囲に影響が現れてしまいます。

珊瑚が果たしている重要な役割を軽く見ることはできません。

美ら海を残すために

さまざまな動植物が暮らしている沖縄。自然が失われつつある沖縄で、美しい海を守り続けるため活動している人たちがいました。

 

以下は自然保全の活動を行っている主な民間団体とその活動内容の紹介です。

 

美ら海水族館

動物に関する調査研究を行い、その成果を生き物の保護や育成、生物多様性の保全などに還元する活動が行なわれています。

 
沖縄美ら島財団

環境保全活動支援エコクーポン事業や、沖縄産絶滅危惧・希少植物の保護に関する調査など、環境保全につながる活動・事業を行っています。

 
チーム美らサンゴ

自治体、地域住民、企業によるサンゴ保全活動団体。

恩納村でのサンゴ苗の植え付けプログラムや沖縄県外における啓発イベントを通じて、「美ら海を大切にする心」をより多くの人々に広げることを目的に活動しています。

 

美ら海を知ろう 〜まとめ〜

沖縄の美ら海は多くの恵まれた環境により育まれてきました。

 

けれどその恵みは恒久的なものではありません。人の営みは自然環境に影響を与え、少しずつ変化しています。

 

沖縄の海で起きた悲しい出来事から数十年。変わらない海を、未来へ残すために。

 

10年後、20年後、100年後。

現在と同じ、生物の多様性が見られる美しい海であるために。

 

多くの人が美ら海を訪れています。

 

沖縄の美ら海が紡ぐ想いを、私たちは受け取り、美ら海の暖かさを思いを渡して行くように。

 

次世代へ、未来へと美ら海は紡いでくれます。

この記事は大阪芸術大学の「教養演習」「コミックプロデュース論」を受講している学生により制作され、マンガデザイナーズラボの代表兼、同学の客員教授・吉良俊彦と講師・石井聡の監修のもと掲載しております。

ライター:放送学科1年 西田智恵さん
デザイン:デザイン学科2年 山川夏海さん
     デザイン学科2年 廣瀬綾音さん
     デザイン学科2年 笠松愛理さん
     デザイン学科3年 政田瑞季さん
     キャラクター造形学科2年 松本愛空美さん