海外在住の時からオタクである私ソフィアは、大好きな日本のゲームやアニメに関連した、あらゆる娯楽を体験することにいつもわくわくしています。
その興奮する娯楽のひとつが、「コラボカフェ」です。以前、日本を訪れた際にも、多くのコラボカフェに足を運びました。好きなキャラクターをモチーフにした料理を食べ、ランダムでコースターやグッズを引けるなんて、こんなに楽しいことはありません。
正直なところを言うと、コラボしているカフェによって食べ物のクオリティ以上に値段が高かったり、コースターも必ずしも良いデザインとは限らず、好きなキャラクターのものが必ずしももらえるかが分からないといったこともあります。
しかし、私は今でもコラボカフェに行くのが好きです。私もファンの1人であるのだと実感できるあの感覚は忘れられません。そして、周りの人たちもみんな私と同じものを楽しんでいる。それに、もし自分が求めていないコースターが手に入っても、カフェの中ですぐに他の人と交換して、欲しかったものを手に入れることもできます。
今回は、そんなコラボカフェやテーマカフェの歴史と、その成り立ちについてお話ししていきたいと思います。

コラボカフェとメイド喫茶は、同じ起源を持つとされており、その両方の始まりとなったのが、1996年に発売された『Piaキャロットへようこそ!!』というゲームです。
このゲームは、ファミリーレストラン『Piaキャロット』でアルバイトをする主人公が、レストランで一緒に働いている女の子と恋愛をするというものです。かわいい女の子たちと着用するメイド服で大人気なゲームとなりました。
1998年には、ゲームを開発した株式会社ブロッコリーが、ゲーム内のレストランをテーマにした短期カフェ「Piaキャロットレストラン」を東京キャラクターショー展に出店。店員がゲーム内のキャラクターのコスプレをしたことが大きなアピールポイントになりました。
これがテーマカフェ人気の原点となったのです。
このカフェが好評だったため、ブロッコリーは1999年に再度、長期間の営業をすることにしました。同じコンセプトで秋葉原にオープンし、7月から9月まで営業した結果、このカフェの人気は急上昇し、その後も何度か再オープンしています。
2000年には、同じく秋葉原に「Cafe de COSPA」をオープンし、店員もアニメやゲームのメイドのコスプレをするようになりました。その1年後に「CURE MAID CAFE」にリニューアルし、本格的な営業をする初のメイド喫茶となりました。
ちなみに、その後いろいろな変化があったにもかかわらずこのカフェは現在も営業をしているため、実は日本で一番古いメイド喫茶を今でも訪れることができるのです。

2004年には「萌え」という言葉が盛んに使われるようになり、メイドのイメージは広く愛されるようになりました。さらに、女性向けコンテンツの普及に伴い、2006年には池袋に初の執事喫茶「スワロウテイル」がオープンしました。このカフェも現在営業しているので、興味のある方は訪れてみてはいかがでしょうか?
同年にオープンした執事喫茶にはさらに面白いものがあります。
執事全員が外国人で、客を「マイ・プリンセス」と呼ぶ、具体的にヨーロッパの執事であることをアピールする喫茶店だったそうです。残念ながらこちらは2018年に閉店してしまったため、この異国情緒あふれるヨーロッパの執事文化にはもう触れることができません。
コラボカフェは、メイドカフェに比べると少し展開が遅かったようです。テーマカフェブームの火付け役となった「Piaキャロットレストラン」は、それ自体がコラボカフェでしたが、ウェイトレスが可愛いメイドのコスプレをするのがメインでした。
よりカジュアルなコラボカフェが広まったのは、2010年代に入ってから。2000年代にはコスプレコラボカフェが流行しましたが、現在では店員やウエイトレスがコスプレをしているカフェはあまり見かけません。
さらに、2000年代当時はコラボカフェに入るためのルールが今よりもずっと厳しいのが普通でした。ほとんどのカフェでは入店のための抽選があり、抽選のないカフェでは大行列ができていました。入店の際には、必ず身分証明書の提示を求められました。
友人の話によると、カフェに入るだけで数時間並ぶのは当たり前だったそうです。地方からコラボカフェに来た人は、半日くらい待つことを覚悟しなければなりません。また、カフェで食事をする時間も、当時は1時間以内が普通でした。つまり、好きなことを楽しむための苦労が必要だった、ということです。

2010年代に入ると、コラボレーションに特化したカジュアルなカフェがオープンし始めます。特に2012年に池袋にオープンした「アニメイトカフェ」は有名です。その後、何度か移転し、現在は旧アニメイト池袋店のビルにあります。
アニメイトカフェは、女性向けのアニメやゲームとのコラボが多くなっています。つまり、このような場所ができたことで、女性向けのコンテンツも一般大衆に人気が出てきたことがよくわかります。
余談ですが、アニメイトカフェの1号店が入っている建物(アニメイトの旧店舗の建物そのもの)が、あまりにも牛乳パックに似ているんです。この形が意図的なものかどうか調べようとしたのですが、特に情報は見つかりませんでした。ともあれ、楽しい偶然です。

最近、2019年にアニメイトが初めてスタンド形式のコラボカフェをオープンしましたが、それはアニメイト池袋のすぐそばにある複合商業施設「Hareza」の一角にあります。
スタンドカフェは今に始まったことではありませんが、独立した小さな建物として路上に立っているだけのカフェに出会ったのは初めてです。初めて見たときは、それが何なのか分からず、屋台に慣れている私はとても戸惑いました。このカフェでは、特別なコラボメニューを用意し、持ち帰りで料理を提供しているようです。

もうひとつ、アニメとゲームのコラボレーションで有名なのが、「ナンジャタウン」です。ナンジャタウンのマスコットキャラクターが猫であるおかげで、多くの有名な作品のキャラクターが猫耳付きのかわいいバージョンで販売されています。
ナンジャタウンは池袋にあるテーマパークで、食べ物だけでなくアトラクションもあり、普通のコラボカフェよりもコラボレーションの幅が広いことが特徴です。このテーマパークがコラボを始めたのは2000年代の中頃、2006年に『名探偵コナン』とコラボしたのがはじまりです。
しかし、テーマ別のスタンドやアトラクションを用意した大規模なコラボは、2009年の「NARUTO」とのコラボが最初です。その後、同じ年に『ONE PIECE』や『銀魂』などの有名作品とのコラボレーションを続けているうちに、ナンジャタウンと作品のコラボ人気は自然と高まっていきました。
こうしたコラボ運営は、非常にお金を稼げる戦術の一つとなり、現在でもナンジャタウンは年に3種類程度のコラボを行なっています。ナンジャタウンは、このビジネスモデルを現代のテーマパークやアミューズメントパークに定着させたとも言われています。

こうして、コラボカフェやメイドカフェは、現代のオタク文化に大きな影響を与えるようになりました。値段は高くても、自分の生活をより豊かにするために、またある種のコミュニティに参加するために、テーマカフェに行くことはとても有意義なことだと思います。また、自分の好きなものを応援することにもなりますしね。
【メイド喫茶・コラボカフェ店舗情報】
東京都千代田区外神田1丁目2番7号 オノデン4F 本店
東京都豊島区東池袋 3 丁目 12 番 12 号 正和ビル
東京都豊島区東池袋3丁目2-1 アニメイトアネックス 7F 8F
東京都豊島区東池袋 1 丁目 16 番 1 号
東京都豊島区東池袋3丁目1番3号 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル2F・3F
【今回ご紹介した店舗はコチラ!】
