今回は、「和室」を紹介します。
和室とは、伝統的な日本家屋特有な部屋のことで、日本間とも呼ばれます。現座は日本風の部屋でも和室と呼ぶ事がありますが、基本的には畳を敷き詰めた部屋を指します。

和室といえば、やっぱり畳は外せません。

  和の雰囲気をもたらす畳

たたみは床材の一種です。木の板にイグサを編んで包めて、部屋の床一面に敷きます。大きさは3尺x6尺(現代の単位だと910mmx1820mm)です。
「畳/帖」(じょう)は今でも、部屋の広さを示す単位として使用されています。日本人にとって、広さを表す場合、何平方メートルより、慣れ親しんでいる何畳の方がしっくりきます。
部屋の賃貸広告なども、「寝室6畳(帖)」で掲示する場合が多いです。

*1畳(帖)=1.62平方メートル

また、同じ部屋でも、畳の敷き方には注意が必要です。
これらは同じ6畳間ですが、違いがわかりますでしょうか?

畳の角で十字を作るのが不吉だと思われ、旅館やお寺の大広間以外では避けられている敷き方です。

パズルゲームみたいで面白いですね!でも、面白いだけでなく、大事なことなのです。

ショッピングモールや現代風建築でも、畳の敷かれた一角を見かけることができます。
これもやっぱり、日本人特有の畳への親しみゆえと言えるでしょう。

  日本式の風情ーー和室

次に、和室全体を見てみましょう。

  床の間

畳の部屋に見られる、客間の座敷飾りの一つであり、掛け軸や生け花などを飾る場所です。
昔は城主の威厳を演出するため、床が一段高い「上段の間」という場所に着座し、家臣が「下段の間」に着座するという、身分の上下をはっきりする決まりがありましたのです。
しかし、「上段の間」に着座できるのはあくまで君主様だけだったため、「下段の間」に座る臣下たちの身分の差を表す手段が必要でした。そこで、極限までコンパクトにした「一段高い床」を部屋の中に設ける事によって、「上段の間」、つまり「床の間」に近い位置に座る人のほうが身分が高いこという基準が生まれました。
現在でも部屋の中では、床の間のある側を「上座」といい、大事なお客様が座る位置とされています。

  ふすま(襖)

襖とは、木の骨組みの両面に紙や布を貼り、和室の仕切りに使用する建具の一種です。
広い和室を持つお城や旅館などは、襖による仕切りを駆使し、行事や季節に合わせ、広間の内部を仕切り、用途に適切な空間を造り上げことができます。可動な壁というと、イメージしやすいでしょう。

  障子

障子も、和室を仕切るためのものです。
厳密的に言うと、襖や御簾、屏風などは、すべて障子の一種です。今で言う障子は、木の枠に和紙が貼られている扉を指し、主に和室と廊下の分断に使われています。
紙が使われる事にで、外の太陽光を遮断しつつ、和らげた柔らかい光を部屋の中へ取り入れることができます。外の風景や部屋の中の人の影が障子に映り、障子越しでも完全に分断していない曖昧な演出は、実に日本っぽいですね!
また、障子の下段はガラス張りになっている雪見障子や、猫ちゃんが出入りできる小窓が付いてる猫間障子もありますよ。

  おまけーーこんな体験はありませんか?

和風旅館に泊まる時、チェックインした部屋にベッドがない…しかし、広間の食堂で美味しい和食料理を堪能した後、部屋が寝室に変わっていた!
実は、室数が多い家屋では、和室を書斎や食堂など、用途に合わせて使い分けています。
しかし、一人暮らしや旅館など、ワンルームで使い分けができない場合、家具や寝具の出し入れで、部屋の使い方を変えるのです!こういう部屋の「大変身」も、日本式のおもてなしかも?

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